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徒歩日本一周を成功させた青年が、日本二周目の旅を続けている。傷心の旅だった前回“泣き虫時代”の体験を書いた本を携えて御礼行脚。作家として再挑戦の旅でもあるが、「前回は本当に親切なお世話を受けました」と笑顔で大船渡を通過していった。浅黒く精悍な面立ちで全国二周目に挑戦しているのは、福岡県大牟田市出身の中林あきおさん(31)。3月14日に東京を出発して太平洋側を北上。八日夜、大船渡入りした。
プロパンガス運搬に使うキャリアに全財産を積み、「日本一周中、本を買ってください」の旗を掲げた姿で本社前を通過したため声をかけたところ「実は日本二周目なんです」との驚くべき答えが返ってきた。初回の日本一周は平成14年3月14日から翌15年10月31日まで、全行程9024キロを416日かけて、北海道から沖縄まで歩き通したという。「よくも懲りずにまた」と思ったが、旅の動機を尋ねると聞くも涙、語るも傷心進旅行だった。
九州で結婚もしていたが、ふとした行き違いで離婚となり、それを機に裸一貫上京。会社勤めもしたが「何をやっても中途半端な自分」が打ち消せず、心をまっさらにするため旅を思い立ったという。それも全くの“人力”を心がけ、完全徒歩による日本一周を目指した。職場も住居も全て投げ打つ男の一途な気持ちを表すため、出発は「ホワイトデーの3月14日を選んだ」暴漢に襲われる恐怖や膝を痛めたり。時には孤独に耐え切れず涙を流すなど、苦労の末に全国を歩き通し、おかげで見えてきたものがあるという。
旅の一部始終を記録するためノートパソコンを持参。ホームページで紹介した効果もあり、東京のエイ出版社から『泣き虫男、歩いて日本一周してきます』の出版にも漕ぎ着けた。おかげで現在は作家としての自立を目指しながら、二度目の旅に挑戦中だ。
前回大船渡では“親切な後藤さん”のお世話になり、二泊の宿を借りた。「暗い世相ばかり報道されることが多いですが、実際に旅してみて日本人の優しさを実感しました。特に岩手と大船渡の人には親切にしていただきました」と、爽やかな笑顔で語ってくれた。



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