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【注意:この記事は『朝日新聞社』の承諾のもとに掲載しています。複製、転載は出来ません。】


 東京を出発して北海道を回り、歩いて日本一周を続けている大牟田市出身の中林朗夫さん(29)が14日、人が住む日本最南端の島・沖縄県波照間島へ向けて大牟田を出発する。「あせらずに一歩、一歩、先を目指します」。自分を見つめ直し、人情に触れながらの旅だ。
 東京で携帯電話のセールスマンをしていた。毎日、毎日同じことの繰り返し。これでいいのだろうか。ある時自分の将来が見えなくなった。「自分をじっくり見つめ直そう」と、徒歩で日本一周を思い立ったという。
 会社を辞め、昨年3月14日、東京を出発した。太平洋側を北上し、3ヶ月後の6月20日、最北端の北海道・宗谷岬に辿り着いた。途中で出会ったトラックの運転手から、「青森に着いたら訪ねてこいや」と誘われ、数日間、世話になった。北海道のサロマ湖の近くの町では、祭りの手伝いをした。
 「人情がいっぱいある。日本もすてたもんじゃないと思いましたね。それと家族の温かさ、親のありがたさが本当に分った。宗谷岬からは、家族がいる大牟田に帰りたい、帰りたいの旅でしたね」最初は一日14`しか歩けなかった。日を重ねるごとに距離が伸び、日本海側の南下の旅は一日50`、60`にも。「すごいホームシックだった。早く帰りたかった」。9月19日、大牟田に着いた。
 ふるさとの実家で疲れをとり、次の旅へ向けてアルバイトをした。体力も回復し、資金もたまった。一年前、東京を出発したのと同じ日に大牟田を立つ。鹿児島から屋久島へ。沖縄本島から宮古、石垣と南下し、波照間島へ。再び北上して東京を目指す。
 毎日の出来事をホームページに書き込んでいる。アクセスは5万5千件に上る。「がんばって」という応援のメッセージも入る。かつて悩んだ同じ事を繰り返す毎日が、「いまはとても素晴らしいことだと思える」という。


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